X(旧Twitter)のタイムラインには、毎週「飲む・飲まない」をめぐる無数の声が流れていきます。「週刊シラフX」は、前週の月曜から日曜までの声の中から特に注目を集めた投稿を拾い上げ、毎週水曜日にお届けする定点観測です。第5回は、シルバーウィーク後半を含む2026年9月21日(月)〜9月27日(日)の1週間を振り返ります。
今週の3行まとめ
- 飲酒運転事故で亡くなった3歳児の両親への取材を、毎日新聞が報じた投稿が約1700万表示に
- チョーヤが本格梅酒ソーダのノンアルコールを発売、神楽坂の店や麻雀バーでも「ノンアルで」が自然に並んだ
- 大使が紹介した箱根の甘酒、「初の休肝日」、1カ月続いた節酒——飲まない時間の語られ方が多様だった
※文中のいいね数・表示回数は2026年9月28日時点の数値です。
前号では、店や主催者が「ノンアルでもできます」を告知文に最初から書く動きが見えました。今週はその流れが、メーカーの新商品と、客側の紹介文の両方に広がった1週間です。神楽坂の店を訪れた人は「ノンアルでも、ひとりでも」と書き、麻雀バーはゲストがシェイクした一杯をノンアルカクテルとして告知しました。先週話題になった甘酒も、今週は大使の紹介や子ども時代の思い出として、まったく別の顔で登場しています。
今週のハイライト
「ソフトクリームください」が最後の言葉に
今週もっとも大きく広がったのは、毎日新聞の報道投稿(約1.9万いいね・約1700万表示)です。飲酒運転の事故に巻き込まれて6人が死傷し、亡くなった3歳児の両親が取材に応じたと伝えています。見出しに引かれた子どもの最後の言葉が、飲酒運転が奪うものの重さを静かに示していました。
飲んだ後にハンドルを握らないことは、飲む人・飲まない人を問わず共有できる一線です。酒気帯びと酒酔いの基準は酒気帯びと酒酔いの基準・罰則の違い、前夜に飲んだ翌朝の判断は翌朝の運転は大丈夫かで整理しています。
救急隊員の「個人の感想」に5,000超の反応
救急隊員として発信する、とある救急隊の憂鬱さんの投稿(約5,100いいね・約23万表示)も注目を集めました。現場の実感として、お酒好きな人に認知症の人をあまり見ない、健康を気にしすぎるより好きに生きている人のほうが健康そうだ、と綴り、自ら「#個人の感想」とタグを付けています。
現場の実感と、集団を追った研究の結果は、見えている範囲が異なります。飲酒と認知症の関係について研究で報告されていることはアルコールと認知症にまとめています。好きに生きることと、自分の体について知っておくことは、両立できる選択です。
数字で見る今週
| 項目 | 数 |
|---|---|
| 今週この記事で紹介した投稿 | 14件 |
| 今週のハイライト | 2件 |
| ノンアル市場の1週間 | 4件 |
| オルタナティブの1週間 | 3件 |
| 断酒・卒酒・節酒のリアル | 2件 |
| 「飲まない」が語られた瞬間 | 3件 |
| 前号(vol.4)の紹介数 | 10件(今週は4件増) |
最も多くのいいねを集めたのは @mainichi の投稿でした(約1.9万いいね・約1700万表示)。
ノンアル市場の1週間
チョーヤ「The CHOYA 酔わない」本格梅酒ソーダ ノンアルコール発売
梅酒のチョーヤが、9月22日に「The CHOYA 酔わない 本格梅酒ソーダノンアルコール」を発売しました。公式アカウントの発売告知(約230いいね・約7,100表示)では、「本格的な熟成感とキレで食事に合う」「アルコールゼロ」と紹介しています。
同日夕方の続報(約280いいね・約1.4万表示)では、南高梅を60g使用し、氷を入れても濃さが残る点を強調しました。商品名に「酔わない」を掲げる梅酒ブランドの一本は、和酒の代替が「それらしい味」から「食事に合わせる一杯」へ進んでいることを感じさせます。ノンアル梅酒・ノンアル日本酒の全体像はノンアル日本酒・ノンアル梅酒の世界をどうぞ。
「ノンアルでも、ひとりでも、文庫本片手にでも」
RyosukeShibuyaさんが、新宿五丁目から神楽坂に移転したepokhēを訪れた投稿(約1,700いいね・約7.5万表示)。シェーンベルクの弦楽四重奏が流れる店内で、ワインや日本酒、ジン、クラフトビールに加えて中国茶も充実しているとして、「ノンアルでも、ひとりでも、文庫本片手にでも」と紹介しています。
お酒の品揃えとお茶の品揃えが同じ文の中で語られ、どちらを選んでも居場所がある。飲まない一杯の選択肢が、店の魅力を伝える言葉の一部になっています。お店での頼み方はバーでのノンアルコールの頼み方、食事とお茶の合わせ方はティーペアリングという夜の遊びで扱っています。
華金の休肝日と、ノンアルで3連続の乾杯
酒百徳さんの晩ごはん投稿(約260いいね・約1,100表示)は、「華金だって 休肝日だ〜」という一言から始まります。冷しゃぶおろし蕎麦にアボカドユッケ、炊飯器で作った手羽元を並べ、「今月の休肝日目標クリアが見えてきた」金曜日を、3日連続のノンアル乾杯で締めくくっていました。
月単位で休肝日の目標を立て、週末の楽しみは週末に取っておく。飲む日と飲まない日を先に決めておく考え方はドリンク・プランニング入門で紹介しています。
オルタナティブの1週間
駐日ジョージア大使が紹介した、箱根の甘酒
ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使が、ロケデビューの新人アナウンサーに箱根の甘酒を紹介する投稿(約750いいね・約1.9万表示)。ワインの国として知られるジョージアの大使が、日本の甘酒を案内役として差し出す一枚には、文化交流の温かさがありました。
麻雀バーの名物「シャカシャカtime」は、ぶどうのノンアルカクテル
麻雀Bar Watchの投稿(約710いいね・約5.5万表示)では、誕生日ゲストの日向藍子プロが店の名物「シャカシャカtime」でシェイクした一杯が、ぶどうのノンアルカクテルとして紹介されました。シェイカーを振る演出の楽しさは、中身にアルコールがあってもなくても変わりません。家で作れるレシピはモクテルとは?家で作れる定番レシピ10にまとめています。
甘酒で「なんか酔ってきた気がする」中学生
爆発電波さんは、中学生のころ「お酒を買ってやる」と決心してスーパーで甘酒を買い、「なんか酔ってきた気がする…」とひとりで楽しんでいた思い出を投稿(約700いいね・約2.6万表示)。グレそうでグレない子ども時代の話に、懐かしさを覚えた人が多かったようです。飲み物の名前や雰囲気だけで気分が変わる感覚は、大人のノンアルの楽しみ方にも通じています。
断酒・卒酒・節酒のリアル
「初の休肝日です…」
YAMASHOさんの「初の休肝日です…😭 すみません💦」という短い投稿(約1,500いいね・約3.8万表示)。わずか2行ですが、多くの反応が集まりました。休肝日を「初めて」と宣言すること自体が、ひとつの話題になる時代です。休肝日をめぐる研究の議論は休肝日は意味がない?で整理しています。
朝ドラをきっかけにした健康への思いと、1カ月続く節酒
ドラみんさんは、朝ドラ「おむすび」を名作と振り返り、病院で働く人々への感謝と、自分も健康でいたいという思いが深まったと投稿(約270いいね・約5,600表示)。括弧書きで「何度も挫折してる節酒ですが ここ1ヶ月ばかりはかなり目標達成できてます」と添えていました。何度目かの挑戦がうまくいっていることを、さらりと書ける軽さが印象的です。ゼロにしない減らし方はゼロにしない減酒術で紹介しています。
「飲まない」が語られた瞬間
講演後の「朝まで」反省会と、酸辣湯麺
トラックめいめいさんは、大勢のお偉いさんを前に講演した後、新橋で朝まで続いた反省会を経て「二日酔い予防の『酸辣湯麺』服用します」と投稿(約1.3万いいね・約18万表示)。「服用」という言い回しのユーモアが大きな反応を呼びました。
「しじみじるのみたい」
だいきり@彼氏さんの「久しぶりの二日酔いでくたばってた」という投稿(約3,100いいね・約2.8万表示)には、しじみ汁を求める一言が添えられていました。酸辣湯麺にしじみ汁、二日酔いの朝に欲しくなるものは人それぞれです。二日酔いの予防と回復について研究で報告されていることは二日酔い対策で本当に効くのは何かにまとめています。
キャラクターの「酒の強さ」設定に、下戸が並ぶ
かにみちょさんのキャラクターごとの酒の強さを考察した投稿(約3,100いいね・約25万表示)も広がりました。弱い寄りの普通、強いけれど酔うまで飲まない、下戸と、キャラクターごとの設定が並んでいます。「酔うまで飲まない」「下戸」が性格描写の一部として自然に語られているのが印象的でした。体質と選択の組み合わせはお酒との4つの向き合い方で整理しています。
編集後記
今週は、チョーヤの「酔わない」梅酒ソーダと、「ノンアルでも、ひとりでも」過ごせる神楽坂の店が目立った1週間でした。メーカーは食事に合わせる一杯を出し、店を訪れた客は飲まない選択肢を店の魅力として語る。その一方で、飲酒運転事故の報道は、飲んだ後の選択が誰かの人生を左右することを改めて伝えていました。次号も水曜日に、「飲む・飲まない」の1週間を観測します。
SHIRAFUは、#断酒 のタグや、休肝日の晩ごはん、店のノンアルメニューをめぐる投稿を毎週見ています。今週のように、梅酒ソーダの合わせ方や、ノンアルでくつろげる店の話がタイムラインに流れてくるのを楽しみにしています。
免責事項
本記事は医療アドバイスではありません。紹介した投稿の内容は各投稿者に帰属し、投稿内容の正確性を保証するものではありません。いいね数・表示回数などの数値は記事作成時点のものであり、変動します。飲酒量や飲み方に不安がある場合は、かかりつけ医、保健所、精神保健福祉センター、依存症専門医療機関、減酒外来などの専門機関にご相談ください。20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。