CBG(カンナビゲロール)は、大麻草に含まれるカンナビノイドの一つで、「マザーカンナビノイド」とも呼ばれる成分です。CBDと同様に精神作用(いわゆる「ハイになる」感覚)はないとされていますが、ヒトを対象にした研究はCBD以上に少なく、多くがまだ細胞・動物実験の段階にとどまります。この記事では、CBGの基礎知識と、日本での法的な位置づけ、そして研究の現在地を、効能を断定せずに整理します。

この記事の要点

  • CBGは、CBDやTHCなど他の主要カンナビノイドの前駆体にあたる成分で、「マザーカンナビノイド」と呼ばれます
  • CBG単体に精神作用はないとされていますが、ヒト対象の研究はまだ少数で、大半は細胞・動物実験(前臨床)段階です
  • 日本ではCBG自体は麻薬として規制されていませんが、製品はCBDと同じ「CBD関連製品」の枠組みでTHC残留限度値の管理対象になります
  • 製品を選ぶ際は、CBDと同様にCOA(成分分析書)でTHC含有量を確認することが重要です

CBGとは何か — 「マザーカンナビノイド」と呼ばれる理由

CBG(カンナビゲロール)は、大麻草に含まれる100種類以上のカンナビノイドのうち、他のカンナビノイドの「前駆体」にあたる成分です。大麻草が成長する初期段階で最初に作られるのはCBGA(カンナビゲロール酸)で、これが植物内の酵素の働きによって、CBDA(CBDの酸型)・THCA(THCの酸型)・CBCA(CBCの酸型)へと変換されていきます。つまりCBDもTHCも、もとをたどればCBGAから作られる成分です。この構造から、CBGは「マザーカンナビノイド(すべてのカンナビノイドの母)」と呼ばれています。

植物が成熟するにつれてCBGAの大部分は他のカンナビノイドへと変換されるため、成熟した大麻草に残るCBGはごくわずか(全体の1%前後)とされています。CBG製品の多くが、成熟前の若い株から抽出する、あるいは品種改良によってCBGAが他の成分に変換されにくい株を使うといった工夫をしているのは、このためです。CBDそのものの基礎知識はCBDとは?基礎知識と安全な製品の選び方であわせて解説しています。

CBGに精神作用はある?研究でわかっていること

CBGについて2022年に発表された総説論文(Calapai et al., Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine)は、CBGが「THCのような精神活性作用(psychotomimetic)を持たない」とまとめています。この点はCBDと共通しています。

ただし、CBGに関するヒト対象の研究は、CBD以上に数が少なく、現時点でも大半が細胞実験(in vitro)や動物実験にとどまっているのが実情です。前述の総説では、抗炎症作用・抗酸化作用・神経保護作用・抗菌作用(MRSA等の薬剤耐性菌に対するもの含む)・眼圧降下作用といった可能性が、動物モデルや細胞実験のレベルで報告されていますが、著者ら自身が「これらの効果は前臨床実験でのみ証明されており、ヒトでの効果を確認するには臨床研究が必要」と明記しています。

近年になって、ようやく小規模なヒト試験も出始めています。例えば2024年にScientific Reports誌に掲載された研究(Cuttler et al.)では、健康な成人34名を対象に、CBG20mgとプラセボを比較する二重盲検・プラセボ対照のクロスオーバー試験が行われ、CBG投与群でプラセボと比べて自己申告の不安感の減少(ベースライン比26.5%)などが報告されました。一方でこの研究は、不安症の診断を受けた人ではなく健康な成人を対象にしていること、用量が20mgと比較的少量であること、評価が投与後20〜60分という短い時間枠に限られていること、コルチゾールなどの生理指標を測定していないことなど、著者ら自身がいくつかの限界を挙げています。

現時点で言えるのは、「CBGには特定の作用がある」と断定できる段階ではなく、「複数の作用の可能性について、研究が始まったばかりの段階にある」ということです。CBDとTHCの違いについて、より詳しく知りたい方はCBDとTHCの違いの記事もあわせてご覧ください。

CBGとCBDは何が違う?

CBGとCBDは、どちらも精神作用がないとされる点で共通していますが、いくつかの違いがあります。

項目CBGCBD
植物内での位置づけ他のカンナビノイドの前駆体(マザーカンナビノイド)CBGAから変換されて生成される成分の一つ
成熟した大麻草での含有量少ない(全体の1%前後)CBGより多い品種が一般的
精神作用ないとされるないとされる
ヒト対象の研究量少ない。近年ようやく小規模試験が出始めた段階CBGより研究の蓄積が多いが、それでも発展途上
日本での扱い麻薬として規制されていないが、「CBD関連製品」としてTHC管理の対象同上(THC残留限度値による成分規制)
製品の価格傾向抽出効率が低いため高価になりやすいCBGより安価な製品が多い

研究の蓄積という観点では、CBDの方がCBGより一歩先を進んでいますが、それでもCBDの人体への影響について断定的に語れる段階ではありません。CBGについては、なおさら「研究の現在地を正直に伝える」姿勢が必要です。

CBGは日本で合法?大麻取締法改正後の枠組み

日本における大麻由来製品の扱いは、大麻取締法によって規定されています。2024年12月12日に施行された改正法により、規制の枠組みは大麻草の「部位」で判断する方式から、製品に含まれるTHC(残留限度値)を基準にする「成分規制」の方式へと移行しました。厚生労働省の資料によれば、THCの残留限度値は製品カテゴリごとに定められており、常温で液体の油脂・粉末は10ppm、清涼飲料水などの水溶液は0.10ppm、グミなどそれ以外の製品は1ppmが上限とされています。

CBGはCBDと同じく、この改正法によって「麻薬」に指定されている成分ではありません。ただし、厚生労働省 麻薬取締部の案内ページでは、「CBD関連製品とは、CBD(カンナビジオール)又はCBG(カンナビゲロール)を含有する製品を言います」と明記されており、CBGを含む製品もCBD製品と同じ「CBD関連製品」という枠組みで扱われています。つまり、CBG自体が規制対象成分でなくても、CBG製品にTHCがどれだけ残留しているかという管理は、CBD製品と同様に重要だということです。

大切な注意点: 「CBG製品だから安全」「CBGは規制対象ではないから何でもよい」というわけではありません。THCの残留限度値を超えた製品を輸入・所持・使用した場合は、法律違反となる可能性があります。この点はCBD製品と同じ考え方です。制度は今後も見直される可能性があるため、購入時は最新の公的情報もあわせてご確認ください。

安全な製品の見分け方 — COA(成分分析書)の確認

SHIRAFUがCBG製品を含むカンナビノイド製品を紹介する際に重視しているのが、COA(成分分析書)の確認です。COAは、第三者機関がその製品に含まれる成分(CBG・CBD含有量、THC含有量、残留農薬や重金属の有無など)を分析した結果を示す書類です。

CBG製品を選ぶときは、次の点を確認することをおすすめします。

COAが確認できない、あるいは販売元の情報が不明確な製品は、成分が保証されていない可能性があるため避けることをおすすめします。CBGドリンクなど、実際にどのような製品が国内で流通しているかについては、CBDドリンクという夜の選択肢の記事もあわせてご覧ください。

よくある質問

CBGはCBDより効果が強いのですか?

そう断定できる段階ではありません。CBGとCBDは作用の仕組みが異なる可能性があるとする研究がありますが、ヒトを対象にした比較研究はまだ少なく、「どちらが強い」という単純な優劣をつけられる状態ではありません。

CBGで捕まることはありますか?

CBG単体に違法性はありませんが、THCの残留限度値を超えた製品を所持・使用した場合は法律違反となる可能性があります。COAが確認できる信頼できる製品を選ぶことが重要です。

CBGでハイになりますか?

いいえ。CBG単体に精神作用はないとされています。ただし、フルスペクトラム製品などTHCを含む可能性がある製品もあるため、THC含有量がCOAで管理されていることを確認することが前提です。

CBGの研究はどのくらい進んでいますか?

CBDと比べても研究の蓄積は少なく、多くが細胞・動物実験の段階です。近年になって小規模なヒト試験(睡眠・不安・気分に関するものなど)が発表され始めていますが、いずれもサンプルサイズが小さく、効果を断定できる段階ではありません。

妊娠中・服薬中でも使えますか?

妊娠中・授乳中の方、服薬中の方については、CBG製品の使用前に必ず医師にご相談ください。本記事はその判断を代替するものではありません。

まとめ

CBGは、CBDやTHCの前駆体にあたる「マザーカンナビノイド」であり、精神作用はないとされる一方、ヒトを対象にした研究はCBD以上に少なく、多くが細胞・動物実験の段階にとどまっています。日本ではCBG自体が麻薬として規制されているわけではありませんが、CBD製品と同じ「CBD関連製品」の枠組みでTHC残留限度値の管理対象となるため、COAで成分を確認できる製品を選ぶことが変わらず重要です。研究が発展途上にある成分だからこそ、「わかっていること」と「まだわかっていないこと」を分けて捉える姿勢を大切にしたい分野です。

参考文献

免責事項

本記事は医療アドバイスではありません。服薬中・通院中の方、妊娠中・授乳中の方は、CBG製品の使用前に医師にご相談ください。CBG製品は20歳未満の方への使用を推奨しておらず、掲載基準に従って情報を提供しています。