CBD製品を選ぶとき、パッケージの謳い文句やレビューの評価だけでは、実際に何がどれだけ入っているかはわかりません。それを客観的に示す唯一の書類がCOA(Certificate of Analysis=成分分析書)です。この記事では、COAとは何か、誰が発行するのか、どの項目をどう読めば安全な製品を見分けられるのかを、断定を避けながら整理します。
この記事の要点
- COAは第三者検査機関が発行する、製品の成分と汚染物質の分析結果を示す書類です
- 見るべき項目は、カンナビノイドプロファイル・THC値と検出限界(LOD/LOQ)・重金属・残留溶媒・農薬・微生物の6点です
- THC値は日本の残留限度値(オイル・粉末10ppm/水溶液0.1ppm/その他1ppm)と照合できることが前提です
- SHIRAFUは、COAが確認できない製品を掲載しないことを基準としています
COAとは何か
COA(Certificate of Analysis)は、製品や原料に含まれる成分・汚染物質を分析した結果を示す証明書です。CBD製品の場合、CBDやTHCをはじめとするカンナビノイドの含有量に加え、残留農薬・重金属・残留溶媒・微生物といった汚染物質の有無を数値で示します。
重要なのは、COAは製造元やブランドが自社で作成するものではなく、独立した第三者の検査機関が分析・発行するという点です。製造元が自社ラボの数値だけを掲載している場合、それは第三者検査ではなく、客観性の担保という点で意味合いが異なります。
信頼性の観点では、検査機関がISO/IEC 17025(試験所・校正機関の能力に関する国際規格)の認定を受けているかどうかも一つの目安になります。認定ラボであれば、分析手法や測定の精度管理について一定の国際基準を満たしていることになります。
COAで確認すべき項目
COAには複数の検査項目が含まれます。それぞれの見方を押さえておくと、数字の意味を正しく読み取れます。
| 項目 | 何を確認するか | 見るポイント |
|---|---|---|
| カンナビノイドプロファイル | CBD・THCなど主要カンナビノイドの含有量 | 表示値と実測値が近いか |
| THC値と検出限界 | Δ9-THCの残留量 | 日本の残留限度値以下か、LOD/LOQも確認 |
| 重金属 | 鉛・ヒ素・カドミウム・水銀など | 基準値以下か(ND表記の意味に注意) |
| 残留溶媒 | 抽出工程で使う溶媒の残留 | ND(不検出)であることが望ましい |
| 農薬 | 栽培段階で使用された農薬の残留 | 検査対象農薬の範囲と結果 |
| 微生物 | 大腸菌・カビ・酵母など | 基準値以下か |
カンナビノイドプロファイルの見方
カンナビノイドプロファイルは、製品に含まれるCBD・THC・CBG・CBNなど各カンナビノイドの含有量を示す一覧です。パッケージ記載のCBD含有量と、COAの実測値が近い数値になっているかを確認します。大きく乖離している場合、表示と実際の成分が一致していない可能性があります。
THC値と検出限界(LOD/LOQ)の見方
THC値の確認では、単に「ND(不検出)」という表記だけで安心しないことが大切です。NDは「ゼロ」を証明するものではなく、「その分析手法の検出限界(LOD)未満だった」という意味です。信頼できるCOAには、LOD(検出限界)とLOQ(定量限界)の数値が併記されており、この数値が日本の残留限度値と比べて十分に低いレベルで測定されているかどうかも、あわせて確認するとよいでしょう。
重金属・残留溶媒・農薬・微生物の見方
これらの項目は、いずれも「基準値以下」または「ND」であることが望まれる項目です。COAに検査対象物質のリストと結果の数値が明記されているかを確認し、一部の項目だけを検査して「安全性検査済み」と表示しているようなケースには注意が必要です。
日本のTHC残留限度値との照合方法
2024年に施行された大麻取締法改正により、大麻由来製品の規制は「部位規制」から「成分(THC含有量)規制」に移行しました。2024年12月12日に施行された基準では、THCの残留限度値は製品のカテゴリごとに以下のように定められています。
| 製品カテゴリ | 残留限度値 |
|---|---|
| 油脂(常温で液体のもの)・粉末 | 10ppm |
| 水溶液 | 0.1ppm |
| その他(グミなど) | 1ppm |
COAを確認する際は、製品のカテゴリに対応する限度値と、実測されたTHC値を照合します。例えばCBDオイルであれば10ppmが基準となるため、COAのTHC実測値がこの値を下回っているかを確認します。数値基準は今後見直される可能性があるため、購入時は厚生労働省など最新の公的情報もあわせて確認することをおすすめします。CBDとTHCの基本的な違いや法的な枠組みについては、CBDとは?基礎知識と安全な製品の選び方で詳しく解説しています。
怪しいCOAの見分け方
COAが添付されていても、内容が信頼できるとは限りません。次のような特徴が見られる場合は注意が必要です。
- 検査日が古い: 発行から長期間が経過しているCOAは、その後のロットの品質を保証しません。製造ロットごとに検査されているかを確認します
- ロット番号が製品パッケージと一致しない: COAに記載されたロット番号と、実際に手元にある製品のロット番号が異なる場合、そのCOAは今持っている製品のものではない可能性があります
- 自社検査のみで第三者機関の記載がない: 検査機関の名称・所在地・認定情報が明記されていない、あるいは製造元自身の分析結果しか示されていない場合、客観性が担保されていません
- 分析手法や検出限界の記載がない: LOD/LOQの記載がなく「ND」とだけ書かれている場合、その数値がどこまで信頼できるかを判断できません
- 一部の項目しか検査していない: カンナビノイドプロファイルだけで、重金属や残留溶媒の検査結果がない場合、安全性の全体像は確認できません
購入前チェックリスト
CBD製品を購入する前に、以下の点を確認することをおすすめします。
- 第三者検査機関発行のCOAが公開されているか
- COAのロット番号と製品パッケージのロット番号が一致するか
- 検査日が製造・購入時期に対して妥当か
- THC値が日本の残留限度値(製品カテゴリに応じた10ppm/0.1ppm/1ppm)以下であることが確認できるか
- カンナビノイドプロファイルに加え、重金属・残留溶媒・農薬・微生物の検査結果があるか
- 販売元の会社名・所在地が明記されているか
これらが確認できない、あるいは問い合わせても開示されない製品は、避けることをおすすめします。
SHIRAFUの掲載基準について
SHIRAFUがCBD製品を紹介する際は、COAが確認できる製品であることを掲載の条件としています。検査機関・検査日・THC値が確認でき、かつ改正大麻取締法のTHC残留限度値に適合していることが確認できない製品は掲載しません。これは「良い・悪い」という感覚的な評価ではなく、成分が客観的に検証可能かどうかという基準です。CBDとTHCの違いについては、CBDとTHCの違いもあわせてご覧ください。
よくある質問
COAはどこで確認できますか?
多くの場合、製品パッケージに記載されたQRコードやロット番号から、販売元のウェブサイトでCOAをダウンロードできます。COAの案内がない、あるいは問い合わせても提示されない製品は避けることをおすすめします。
NDと書かれていれば安全ですか?
NDは「検出限界未満」という意味であり、成分が「ゼロ」であることを証明するものではありません。信頼できるCOAには検出限界(LOD)・定量限界(LOQ)の数値が併記されているため、あわせて確認することが大切です。
自社検査のCOAは信用できませんか?
自社検査の結果だけでは、客観性という点で第三者検査とは意味合いが異なります。信頼性を確認するには、独立した第三者検査機関が発行したCOAであることを確認することをおすすめします。
THCの残留限度値は製品によって違いますか?
はい。2024年12月施行の基準では、油脂(常温で液体のもの)・粉末は10ppm、水溶液は0.1ppm、その他(グミなど)は1ppmと、製品カテゴリごとに異なる限度値が定められています。
ロット番号はなぜ確認する必要がありますか?
製品は製造ロットごとに成分にばらつきが生じる可能性があるため、COAが手元の製品と同じロットのものかどうかを確認しないと、そのCOAが実際に購入した製品の品質を保証していない可能性があります。
参考文献
- 厚生労働省「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律の一部が施行されます」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43079.html
- KCAラボジャパン「COA(成分分析書)とは?読み方・取得方法を検査機関が解説」 https://kcalabs.co.jp/coa
免責事項
本記事は医療アドバイスではありません。CBD製品の購入・使用を検討される際は、本記事の内容に加えて販売元・検査機関への直接確認もおすすめします。服薬中・通院中の方、妊娠中・授乳中の方は、CBD製品の使用前に医師にご相談ください。CBD製品は20歳未満の方への使用を推奨しておらず、掲載基準に従って情報を提供しています。