お酒をやめると、飲み方によっては年間数十万円、10年・30年単位では数百万円規模のお金が浮く可能性があります。この記事では、代表的な3つの飲酒パターンについて、仮定を明示したうえで具体的な金額を計算します。
この記事の要点
- 毎晩ストロング系を2本飲む場合、30年間で約350万円の酒代がかかる試算になります(仮定に基づく計算)
- 週2回の外飲みを続けると、30年間で1,500万円を超える計算になります
- 浮いたお金を運用に回した場合の将来価値も、仮定を明示したうえで試算しています
お酒をやめるといくら貯まる?
まず結論から、3つのケースの試算をまとめた表をご覧ください。金額はすべて後述する仮定に基づく試算であり、実際の支出は飲む銘柄や店の選び方によって変わります。
| ケース | 月額(概算) | 年額 | 10年 | 30年 |
|---|---|---|---|---|
| ①毎晩ストロング系2本 | 9,600円 | 116,800円 | 116.8万円 | 350.4万円 |
| ②週3晩酌(ビール+ワイン) | 7,800円 | 93,600円 | 93.6万円 | 280.8万円 |
| ③週2外飲み(1回5,000円) | 43,300円 | 520,000円 | 520万円 | 1,560万円 |
外飲みを含む飲み方は、家飲みだけの場合に比べて金額が大きく跳ね上がることが分かります。これは酒代そのものに加えて、外食費・タクシー代などが上乗せされるためです。逆に言えば、家飲みの頻度を減らすよりも、外飲みの回数を見直すほうが、支出への影響は大きくなりやすいということでもあります。
もちろん、これらの数字がそのまま自分に当てはまるとは限りません。次の章では、それぞれのケースについて、どのような仮定で計算しているかを詳しく見ていきます。
ケース別シミュレーション
それぞれの計算の前提と内訳を示します。数字はすべて仮定であり、実際の金額に置き換えて計算し直すことをおすすめします。なお、月額は「1週間あたりの金額 × 4.33週」で算出しています。これは1年52週を12ヶ月で割った平均週数(52 ÷ 12 ≈ 4.33)を使う、月あたりの支出を概算するときによく使われる計算方法です。
①毎晩ストロング系(9%程度)を2本
- 仮定: 1本あたり160円(コンビニ想定価格)、毎晩2本
- 計算: 160円 × 2本 = 320円/日
- 月額(30日換算): 320円 × 30日 = 9,600円
- 年額: 320円 × 365日 = 116,800円
- 10年: 116,800円 × 10 = 1,168,000円(約116.8万円)
- 30年: 116,800円 × 30 = 3,504,000円(約350.4万円)
②週3回の晩酌(ビール+ワイン)
- 仮定: 1回の晩酌セット(缶ビール1本+グラスワイン1杯相当)を600円、週3回
- 計算: 600円 × 3回 = 1,800円/週
- 月額(4.33週換算): 1,800円 × 4.33 ≈ 7,800円
- 年額(52週換算): 1,800円 × 52 = 93,600円
- 10年: 93,600円 × 10 = 936,000円(約93.6万円)
- 30年: 93,600円 × 30 = 2,808,000円(約280.8万円)
③週2回の外飲み
- 仮定: 1回あたりの外飲み費用を5,000円(飲食代・会計込みの目安として設定した試算上の仮定)、週2回
- 計算: 5,000円 × 2回 = 10,000円/週
- 月額(4.33週換算): 10,000円 × 4.33 ≈ 43,300円
- 年額(52週換算): 10,000円 × 52 = 520,000円
- 10年: 520,000円 × 10 = 5,200,000円(約520万円)
- 30年: 520,000円 × 30 = 15,600,000円(約1,560万円)
浮いたお金を運用に回した場合
上記の月額を、仮に年利3%で複利運用しながら毎月積み立てた場合の将来価値も試算してみます。これは積立投資の将来価値を計算する一般的な計算式(毎月の積立額 ×〔(1+月利)^運用月数 − 1〕÷月利)を用いたものであり、実際の運用成果を保証するものではありません。
| ケース | 10年間の積立額(運用なし) | 10年運用後の試算額 | 30年間の積立額(運用なし) | 30年運用後の試算額 |
|---|---|---|---|---|
| ①毎晩ストロング系2本 | 116.8万円 | 約134.2万円 | 350.4万円 | 約559.5万円 |
| ②週3晩酌 | 93.6万円 | 約109.0万円 | 280.8万円 | 約454.6万円 |
| ③週2外飲み | 520万円 | 約605.1万円 | 1,560万円 | 約2,523.6万円 |
※運用後の試算額は、最初の表の「月額(概算)」を毎月積み立てた前提で計算しています。①は月額を30日換算(9,600円)としているため、年額ベースの積立額(116.8万円/350.4万円)とは端数レベルの差があります。
運用期間が長くなるほど、複利の効果で「浮いたお金をただ貯めた場合」との差が大きくなることが分かります。ただし年利3%はあくまで試算上の仮定であり、実際の運用は元本割れのリスクを伴うことにも注意してください。
見えないコストも足す
酒代そのもの以外にも、飲酒には見えにくいコストが伴います。試算に含めていない主な項目は次のとおりです。
- 帰りのタクシー代: 終電を逃した場合の交通費は、1回数千円単位で積み上がります。外飲みの頻度が高い人ほど、この項目が家計に与える影響は大きくなりがちです
- 締めの一杯・二次会: 「もう1軒だけ」の一杯や二次会の費用は、当初の予算を超えやすいポイントです。最初の店で使った金額と同額、あるいはそれ以上を二次会で使ってしまうケースも珍しくありません
- 翌日のパフォーマンス低下: 二日酔いによる集中力の低下や体調不良は、直接の支出ではないものの、仕事や時間の質という形でのコストになり得ます。朝のコンディションと生産性の関係については「キマる朝」の作り方で詳しく解説しています
- 健康関連の支出: 二日酔い対策のドリンクや胃薬など、飲酒に付随する小さな出費も積み重なると無視できない金額になります
これらを含めると、実際に浮く金額は上記の試算よりさらに大きくなる可能性があります。試算表の数字を「最低ライン」として捉えておくとよいでしょう。
浮いたお金の使い道
浮いたお金の使い道は人それぞれですが、代表的な選択肢としては次のようなものがあります。
- 旅行や体験: 思い出に残る使い道として、浮いたお金を旅行費用に充てる人が多く見られます
- 自己投資: 学習・資格取得・セミナー参加など、将来のリターンにつながる使い方です
- 積立投資: NISAなどの制度を使って、コツコツ将来に備える選択肢です。前述の運用試算のように、時間を味方につけられるのが特徴です
- 朝のコンディションへの投資: 運動器具やジムの会費、良質な睡眠環境の整備など、朝のパフォーマンスにつながる習慣に投資する人もいます
どれか一つが正解というわけではなく、自分にとって価値のある使い道を選ぶことが大切です。まずは1ヶ月分だけでも実際に別口座に移してみると、金額の実感がわきやすくなります。断酒・減酒全体の進め方は断酒・減酒 完全ガイドも参考にしてください。
よくある質問
日本人の平均酒代は月いくら?
総務省「家計調査」には酒類への支出データがあり、世帯構成や地域、飲酒習慣によって金額の幅が大きいため、本記事では特定の「平均額」を示さず、上記のように仮定を明示したケース別の試算という形で提示しています。
禁酒で年間いくら節約できる?
飲み方によって大きく異なりますが、本記事の試算では年間9万円台〜52万円程度という結果になりました。自分の飲酒パターンで計算し直すのがおすすめです。
外飲み1回のコストは?
本記事では5,000円を試算上の仮定として使用しています。実際は店やメニューによって変動するため、自分の実績に合わせて置き換えてください。
参考文献
- 総務省統計局「家計調査(家計収支編)」(https://www.stat.go.jp/data/kakei/2.html)