お酒を減らしたいと思っても、「何から手をつければいいかわからない」「自分に合うやり方が見えない」という壁にぶつかる人は少なくありません。SHIRAFUの「シラフタイプ診断」は、10の質問から、あなたとお酒との関わり方を2つの言葉にする診断です。ひとつは「お酒とどう向き合うか」——体質的に飲めるか、飲むことを選んでいるかという2軸から導かれる、上戸・ソバーキュリアス・背伸び酒・下戸という4つのタイプ。もうひとつは「どんな夜を過ごすか」——夜の舞台・動機・スタイルという3軸から導かれる、8つの「月相タイプ」です。この記事では、診断の仕組みと2つのタイプの内容、結果の活かし方を紹介します。
この記事の要点
- シラフタイプ診断は、WHOが開発したAUDIT-C(3問)、お酒に強い/弱い体質をみる1問、独自の3軸6問を組み合わせた計10問の診断です
- 結果は「体質×選択」の4タイプ(上戸・ソバーキュリアス・背伸び酒・下戸)と、3軸の組み合わせから導かれる8つの月相タイプという、2つのレイヤーで示されます
- 医学的な診断ではなく、自分の傾向を言葉にして減酒の工夫を選びやすくするためのツールです
なぜ「自分のタイプ」を知ると減酒が続きやすいのか
減酒や断酒が続かない理由の1つに、「自分に合わないやり方を選んでしまっている」ことが挙げられます。断酒が続かない7つの共通点でも触れているとおり、飲まない理由が自分の言葉になっていなかったり、退屈な夜の過ごし方しか思いつかなかったりすると、せっかくの工夫も長続きしにくくなります。
自分がそもそも飲める体質なのか、飲むことをどう選んでいるのか。そして、どんな夜に飲みたくなるのか、何のために減らしたいのか、どう置き換えると続けやすいのか——こうした傾向をあらかじめ言葉にしておくと、目標や工夫が具体的になりやすい、という考え方は行動変容の分野でよく紹介されます。「飲める体質で惰性で飲んでいる人」と「飲めない体質なのに付き合いで飲んでいる人」では最初の一歩が違いますし、「会食が多い人」と「家飲みが中心の人」、「体調を整えたい人」と「パフォーマンスを上げたい人」でも、選ぶべき代替行動は変わってきます。シラフタイプ診断は、こうした自分の傾向を10の質問から浮かび上がらせ、次に何を試せばよいかのヒントに変えるためのツールです。
なお、タイプを知ることが減酒の継続を保証するわけではありません。あくまで「自分を知る手がかりの1つ」として活用いただくものです。
診断の仕組み — 10問で2つのタイプを判定
シラフタイプ診断は、性質の異なる3つの入力から、2つのタイプを導き出す構成になっています。
最初の3問はAUDIT-Cです。AUDITはWHO(世界保健機関)が問題飲酒の早期発見を目的に開発したスクリーニングツールで、世界で広く使われています。その中でも飲酒量に関する最初の3項目だけを使う簡易版がAUDIT-Cで、厚生労働省が公開している保健指導向けの手引きでも、AUDITとその評価結果に基づく減酒支援(ブリーフインターベンション)の入り口として紹介されています。シラフタイプ診断でも、この3問を医療的な目安として独立して扱っており、一定の傾向が見られた場合は、後半の2つのタイプ(体質×選択の4タイプ・月相タイプ)とは別に、専門機関への相談を案内するメッセージを表示します。
続く1問が体質設問です。少量の飲酒で顔が赤くなるかどうかを尋ねるもので、アルコールを分解する酵素ALDH2の働き方の個人差、いわゆる「フラッシング反応」が出やすい体質かどうかを大まかに推定するための質問です。この1問と、AUDIT-Cで尋ねる飲酒頻度の回答を掛け合わせることで、後述する「体質×選択」の4タイプが決まります。
残る6問は、SHIRAFU独自の3軸判定です。1つの軸につき2問ずつ、計6問で判定します。
| 軸 | 極A | 極B | 判定するもの |
|---|---|---|---|
| 夜の舞台 | 宴(人と過ごす夜が主戦場) | 庵(自分の夜が主戦場) | 減酒の主戦場が会食か、自宅か |
| 動機の重心 | 昇(パフォーマンス・成長のため) | 凪(回復・整えのため) | 何のために飲み方を変えたいか |
| 変化のスタイル | 粋(儀式や気分で置き換える) | 律(数値やルールで置き換える) | どう置き換えると続けやすいか |
3つの軸はそれぞれ独立していて、優劣はありません。「宴」も「庵」も、「昇」も「凪」も、「粋」も「律」も、すべて等しく成立する夜の過ごし方です。3軸×2極の組み合わせで、合計8つの月相タイプが決まります。
つまり、AUDIT-Cは医療的な目安として独立して扱われ、体質設問と飲酒頻度の組み合わせから「体質×選択」の4タイプが、3軸6問から8つの月相タイプが、それぞれ導かれる構成です。
体質×選択の4タイプ — 上戸・ソバーキュリアス・背伸び酒・下戸
シラフタイプ診断が示す1つ目のレイヤーは、「お酒とどう向き合うか」を表す4タイプです。これは「アルコールを分解できる体質かどうか」と「飲むことを自分で選んでいるかどうか」という2つの軸を掛け合わせたもので、次の4つに分かれます。
お酒との関わりを「飲める体質か × 飲むことを選ぶか」の2軸で4つに分けた図です。下線付きの項目は参考記事です。
- 上戸(飲める体質×飲む): アルコールを分解する酵素の働きが強く、実際にお酒を飲む選択をしている人です。世の中で「お酒に強い人」と呼ばれる層で、飲めるからこそ、飲み方を主体的に選べる余地があります。
- ソバーキュリアス(飲める体質×あえて飲まない): 飲める体質でありながら、体調やパフォーマンス、気分といった理由から、飲まないことを自分で選んだ人です。
- 背伸び酒(飲めない体質×飲む): 本来は少量でも顔が赤くなるような体質でありながら、場の空気や付き合いのために飲んでしまう人です。4タイプの中でもっともリスクが高いとされる層で、フラッシング体質のまま飲酒を続けると食道がんのリスクが上がるとする研究があります(Brooks et al., 2009)。
- 下戸(飲めない体質×飲まない): 体質的に飲めず、実際にも飲まない選択をしている人です。飲まないことは我慢ではなく、体質に沿った自然な選択だと言えます。
4タイプはどれも断罪するためのものではなく、自分がいる場所に気づくための地図です。それぞれの象限の詳しい解説や、上戸・下戸という言葉の由来、フラッシング反応と健康リスクの関係については、お酒との4つの向き合い方で詳しく扱っています。
8つの月相タイプ
シラフタイプ診断が示すもう1つのレイヤーは、「どんな夜を過ごすか」という夜の過ごし方の傾向です。3軸の組み合わせは、月の満ち欠けになぞらえて8つの「月相」として表現しています。SHIRAFUのロゴが体現する「しらふは欠けではなく、満ちてゆく途中の月だ」という考え方と同じ世界観です。どのタイプにも優劣はなく、それぞれの夜の才能として紹介しています。
各月相タイプが、3軸(夜の舞台=宴/庵、動機の重心=昇/凪、変化のスタイル=粋/律)のどの組み合わせに対応するかを一覧にまとめました。
| 月相 | タイプ名 | 3軸の組み合わせ | 一行コピー |
|---|---|---|---|
| 🌕 満月 | 満月の主役 | 宴・昇・粋 | 場の真ん中で、素面のまま輝く人 |
| 🌖 十六夜 | 十六夜のストラテジスト | 宴・昇・律 | 会食を、戦略で制する人 |
| 🌔 十三夜 | 十三夜のホスト | 宴・凪・粋 | 場を和ませ、みんなの夜を整える人 |
| 🌗 下弦 | 下弦のバランサー | 宴・凪・律 | 付き合いと健康を、両天秤で運べる人 |
| 🌒 三日月 | 三日月のリチュアリスト | 庵・昇・粋 | 夜の儀式で、感性を研ぐ人 |
| 🌓 上弦 | 上弦のアーキテクト | 庵・昇・律 | 最高の朝から逆算して、夜を設計する人 |
| 🌑 新月 | 新月の潜り手 | 庵・凪・粋 | 静けさに潜って、深く回復する人 |
| 🌘 有明 | 有明のリセッター | 庵・凪・律 | 数値と向き合い、習慣を立て直す人 |
この8タイプを、3軸のうち「夜の舞台(宴/庵)」で左右に分け、それぞれの中を「動機(昇/凪)」と「スタイル(粋/律)」の2軸で並べると、次のような地図になります。
- 満月の主役(宴・昇・粋): 会食や飲み会そのものが好きで、その場を盛り上げる役割を自然にこなすタイプです。素面でも場の中心に立てる自信があり、飲まないことがハンデにならないことを体現しています。
- 十六夜のストラテジスト(宴・昇・律): 会食を「こなすもの」ではなく「組み立てるもの」として捉えます。乾杯の1杯や飲むペースをあらかじめ決めておくことで、翌日のパフォーマンスまで見据えた夜を過ごせる人です。
- 十三夜のホスト(宴・凪・粋): 場を和ませながら、自分のペースも保てるバランス感覚が持ち味です。自分よりもその場にいる人の心地よさに自然と気を配れる人で、乾杯は付き合っても、無理に飲み続ける必要がないと知っています。
- 下弦のバランサー(宴・凪・律): 付き合いと健康、どちらも手放したくない人です。会食には参加しつつ、体調やルールを軸に据えることで、両方を無理なく両立させる工夫が得意です。
- 三日月のリチュアリスト(庵・昇・粋): 家での夜の時間を、自分を整えるための儀式として大切にします。香りや照明、ノンアルコールドリンクの選び方など、感性で夜をデザインすることに喜びを感じるタイプです。
- 上弦のアーキテクト(庵・昇・律): 「最高の朝」から逆算して前夜を設計する人です。睡眠や翌日の予定を軸に、飲む・飲まないを合理的に判断できる、仕組み化が得意なタイプです。
- 新月の潜り手(庵・凪・粋): 静かな夜に深く潜って回復することを得意とします。入浴や呼吸、瞑想など、感覚を研ぎ澄ませる時間の中で、自分を整えていくタイプです。
- 有明のリセッター(庵・凪・律): 記録や数値と向き合いながら、習慣そのものを立て直していく人です。飲酒量や体調の変化をログに残すことで、着実に自分のペースを取り戻していきます。
自分がどのタイプに近いかは、記事だけで判断せず、実際にシラフタイプ診断を受けてみることをおすすめします。10の質問に答えるだけで、自分の体質×選択の4タイプと月相、そのタイプに合った処方箋がわかります。
診断結果の活かし方
診断結果のページでは、体質×選択の4タイプと月相タイプの名前だけでなく、次のような情報も合わせて確認できます。
- このタイプの夜の強み: そのタイプが自然にできていることを言葉にしています
- 満ちるためのヒント: つまずきやすいポイントを、否定形ではなく「伸びしろ」として紹介しています
- 今夜からできる一手: 難しいことではなく、今日から試せる小さな行動を1つ提案しています
- 合う代替ドリンクの傾向やおすすめ記事: タイプに合わせて、大人のノンアル完全ガイドや飲み会の断り方15選など、関連する記事へのリンクも表示されます
大切なのは、結果を「診断されて終わり」にしないことです。自分の傾向に合った工夫を1つ選び、実際の生活に取り入れてみることで、初めて診断の意味が生きてきます。減酒のルール作りにはゼロにしない減酒術・7つのルールも参考になります。
よくある誤解
シラフタイプ診断は、医学的な診断ではありません。 体質×選択の4タイプも8つの月相タイプも、お酒との向き合い方や夜の過ごし方の傾向を言葉にするためのものであり、病名や症状を判定するものではないという点にご注意ください。診断結果のうち、AUDIT-Cの部分で一定の傾向が見られた場合には、これら2つのタイプとは別に、専門機関への相談を案内するメッセージが表示されます。これはタイプの良し悪しとは関係なく、飲酒量そのものに関する一般的な目安です。
もう1つの誤解は、「タイプは一生変わらない」というものです。月相タイプは、生活スタイルや飲み方の傾向が変われば、時間とともに変わっていきます。会食が多い時期もあれば、家で過ごす時間を大切にしたい時期もあるはずです。体質×選択の4タイプのうち、体質の軸(ALDH2の働き方)は生まれつき決まっていて変わりませんが、選択の軸(飲む/飲まない)は自分の意思で変えられるため、タイプそのものは動きます。診断結果は、今の自分を映す1つのスナップショットとして受け取り、状況が変わったと感じたら、何度でも受け直してかまいません。
よくある質問
シラフタイプ診断は医学的な診断ですか?
いいえ、医学的な診断ではありません。飲み方の傾向を言葉にするための診断です。前半のAUDIT-Cの結果で一定の傾向が見られる場合や、飲酒量を自分でコントロールできないと感じる場合は、自己判断で進めず、専門機関にご相談ください。
診断結果のタイプは変わりますか?
はい、変わります。月相タイプも、体質×選択の4タイプのうち選択の軸も、一生固定されるものではなく、生活スタイルや飲み方の傾向が変わればタイプも変わり得ます。状況が変わったと感じたときは、何度でも受け直してかまいません。
体質×選択の4タイプと月相タイプの違いは何ですか?
体質×選択の4タイプ(上戸・ソバーキュリアス・背伸び酒・下戸)は、「そもそも飲める体質か」と「飲むことを選んでいるか」を示すレイヤーです。一方、月相タイプは「どんな夜に、どんな理由で、どう飲み方を変えたいか」という夜の過ごし方の傾向を示すレイヤーです。前者はお酒との向き合い方の土台、後者はその上でどんな夜を過ごすかの傾向、という関係にあります。詳しくはお酒との4つの向き合い方で扱っています。
AUDIT-Cとは何ですか?
WHOが開発したアルコール使用障害のスクリーニングテスト「AUDIT」のうち、飲酒量に関する最初の3項目を使う簡易版です。厚生労働省の保健指導向けの手引きでも、減酒支援の入り口として紹介されています。
診断は何度でも受けられますか?
はい、何度でも受けられます。所要時間は3分程度で、10の質問に答えるとその場で結果が表示されます。
参考文献
- World Health Organization「AUDIT: the Alcohol Use Disorders Identification Test: guidelines for use in primary health care」(https://iris.who.int/handle/10665/67205)
- 厚生労働省「保健指導におけるアルコール使用障害スクリーニング(AUDIT)とその評価結果に基づく減酒支援(ブリーフインターベンション)の手引き」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001215491.pdf)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「飲酒量」(https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/alcohol/ya-013.html)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「2型アルデヒド脱水素酵素」(https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/alcohol/ya-007.html)
- Brooks PJ, Enoch MA, Goldman D, Li TK, Yokoyama A.「The Alcohol Flushing Response: An Unrecognized Risk Factor for Esophageal Cancer from Alcohol Consumption」PLoS Medicine, 2009(https://journals.plos.org/plosmedicine/article?id=10.1371%2Fjournal.pmed.1000050)
医療機関への相談について
断酒により手の震え・発汗・不眠などの離脱症状が出る場合や、飲酒量を自分でコントロールできない状態が続く場合は、自己判断で進めず、アルコール専門外来・精神保健福祉センターなど専門機関にご相談ください。本記事および本診断は医療アドバイスではありません。
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免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療アドバイスではありません。飲酒による影響には個人差があり、本記事の内容がすべての方に当てはまるとは限りません。飲酒量のコントロールが難しいと感じる場合は、保健所・精神保健福祉センター・アルコール専門医療機関(減酒外来)など専門機関へのご相談をご検討ください。